Horizon
Material : Steel
Size : 100x100x15mm
制作年 : 2008年
シュヴァルツシルトの事象地平
ドイツの天文学者カール・シュヴァルツシルトは第一次世界大戦の従軍中、重力方程式から導かれる特殊解を発見する。これはブラックホールの存在を予言するものである。この世界には果てがあることが計算から導かれた。
今、この瞬間、自分が接している時空は途切れなくどこまでも続く訳ではない。
世界の至るところに、この世の果てとなる穴が開いているという事実を想いながら鉄の輪を削って作品とした。
果てとは終わりであると同時に始まりでもある。
時空の果ては計算や観測による知識として認識できても、知覚的体験は困難で、限りなく概念的世界の把握として成り立つ。
それは個としての世界の出発と終着。すなわち誕生と死を想うことと重ねることができる。